【満足度120%】ひとり水族館の楽しみ方と注目したい観察ポイント

水族館全国制覇を狙うMia Taniguchiです。

みなさんはひとり水族館に挑戦したことがありますか。だれかと一緒に行く水族館はもちろん楽しいのですが、一人で行く水族館にもまた別の楽しさがあります。

私はひとり水族館へ出掛けるとき、規模にもよりますが、基本的に水族館を3周します。これにはちゃんと理由があって、それぞれ違う視点で見て回ることで、“楽しさ”だけではなく、+αの知識や気づきを得られるからです。

そこで今回はひとり水族館のメリットと、より楽しむための方法についてお話していきます。

私がひとり水族館に行く理由

水族館といえば、家族連れやカップルのイメージがありますよね。水族館で写真好き(カメラを持っている方)以外で一人の方を見かけることは珍しいのではないでしょうか。

しかし私の場合、水族館にだれかと行く時とひとりで行く時の比率は1:2。ひとりで行くことの方が多いです。個人的な話になりますが、私がひとりで水族館に行く理由は主に2つあります。

まずひとつは、単純にひとり水族館が好きだからです。至極当然な理由ですが、このあとお話しするひとり水族館のメリットや楽しみ方を読んでいただけたら、なぜ私がひとり水族館が好きなのかをわかっていただけると思います。

もう1つはシンプルに一緒に行く人がいないからです(悲しい)。友達とは水族館に行きますが、私と同じ頻度で水族館に行かせるのは気が引けます。加えて、私は思い立ったらすぐ行動派なので、予定を立てて行動することが好きではありません。

例えば、1ヶ月後に友達と焼肉に行く予定を立てたとして、その予定を決めた瞬間はすごく焼肉を食べたいという気分かもしれません。ですが、1ヶ月後の私は焼肉を食べたいと強く思っているのでしょうか。そうとは限りません。

焼肉に対する思いが弱くなってきた場合、私は当日に向けて『焼肉を食べたいというコンディション』を準備しなければなりません。それにとても疲れてしまう。焼肉への思いが最も強い時(つまり予定を立てた時)に私は焼肉を食べたいのです。すっごくめんどくさいですね(私が)。

つまり何が言いたいかというと「今日は水族館に行きたい気分だ!」と思った瞬間に支度をして家を出て、水族館を楽しむ。その自由さに私は幸せを感じます。その幸せのためなら、毎回は友達と水族館へ行くことができなくても構わないというわけです。

こんなにある!ひとり水族館のメリットについて

私の考えるひとり水族館のメリットを6つ紹介したいと思います。

①自分の好きなペースでまわることができる

これは全てのひとり〇〇に共通することですね。自分の思うままに行動することができ、気を遣ったり遠慮したりする必要がありません。

水族館は、人によって回るペースが全然違います。生き物や水族館に全く興味ない人が、水族館を歩き回ったら30分くらいで出口に到着する水族館も、全ての水槽をじっくり見たり、解説を読んだりすれば、2時間くらいはかかりますよね。

ひとりで水族館に行くと、好きな水槽に好きなだけいることができます。疲れたらベンチに座ったり、館内のカフェに入ったりして自由な過ごし方ができます。

②多くのショーを見ることができる

水族館にはお客さんを楽しませる多くのショーやプログラムが用意されています。参考に、石川県にあるのとじま水族館の1日(土日祝)のショースケジュールを見てみましょう。

1日のショースケジュール
10:00~ イルカ・アシカショー
10:30~ アザラシとのふれあい体験
10:30~ マダイの音と光のファンタジア
10:30~ イルカとのふれあいプール
10:40~ イワシのビッグウェーブ
10:50~ アザラシのお食事タイム
11:00~ ペンギンのお散歩タイム
11:30~ イルカ・アシカショー
11:50~ カワウソのおやつタイム
12:00~ イルカとのふれあいプール
13:00~ イルカ・アシカショー
13:30~ イルカとのふれあいプール
13:50~ アザラシとのふれあい体験
14:00~ ペンギンのお散歩タイム
14:10~ アザラシのお食事タイム
14:30~ イルカ・アシカショー
14:50~ カワウソのおやつタイム
15:00~ マダイの音と光のファンタジア
15:00~ イルカとのふれあいプール
15:10~ イワシのビッグウェーブ
15:30~ ペンギンのお散歩タイム
16:00~ イルカ・アシカショー

このように1日の中で複数のショーが組み込まれています。誰かと一緒に行くときは、温度感であったり、予定などにも左右されるため、まわっている間に始まるショーだけを見て終わりにしてしまうことが多くありますよね。待ったとしても、やはりメインともいえるイルカショーなどになりがち。

一人で行くときは、ショースケジュールを確認してできるだけ多くのショーを見られる時間帯に行ったり、ショーに合わせて周り方を変えたり、自由に時間配分を割り振ることができます。できるだけ多くのショーを見ていろんな生き物の美しさや素晴らしさに触れてみましょう。

③良い写真が撮れる

一人で水族館にいると、写真や動画を撮るときに集中することができます。友人や恋人が隣にいると、会話に意識を向けたり相手のペースに合わせたり、少し気を遣いますよね。

みなさんは「1つの水槽で何回かシャッターを押していたけれど、後から見返すと全部ブレていた」という経験をしたことがありますか。

私はよくあります。水中を素早く泳ぐ生き物たちの撮影はすごく難しいけれど、一人であればその場で写真を確認して写真を撮り直すことができ、動物の生き生きとした瞬間を撮れる可能性が高くなります。

④自分の世界に入れる

これには同伴者がいないからというだけではなく、少し暗くて青い静かな場所であるという水族館の空間特性なども、関係しているように思います。

青には心を鎮める効果がありますし、日本人が古くから親しんできた『海』を連想させる空間に滞在することで、ストレス社会から離れてぼーっとしたりリラックスしたりすることができます。

また、神奈川県にある新江ノ島水族館や兵庫県の須磨海浜水族園などのように、海のすぐそばに水族館が建築されていることも珍しくありません。

水族館に行った後に砂浜で自分の世界に入りながら海を眺めて心身を休ませるのもおすすめです。

⑤ショーの席や立ち位置を確保しやすい

同伴者が大人数になればなるほど、ショーの時の座席確保が難しいですよね。ショーなどは1~2席分空けて座る方が多いので、一人で行くと確実にどこかに座れます。

人気のある前の方に座ってショーの迫力を感じたり、素敵な写真や動画を撮ったりすることも一人だと簡単だったりします。

⑥ひとり耐性ができる

『ひとり水族館』という言葉だけをきくと、すごくハードルが高そうでひとり〇〇上級者感があります。だからこそひとり水族館を達成できた時、そのひとり水族館に行けたという事実が自分自身の自信になります。

一人で水族館に行って楽しむことができたら、他のひとり〇〇への抵抗が小さくなるはずです。

私はもともと一人行動が苦手でしたが、ひとり水族館をきっかけに色々な所へ一人で遊びに行くことできるようになりました。今では一人で過ごす時間が大切で大好きです。水族館は私にひとり行動の素晴らしさを教えてくれました。本当にありがとう、という感じです。

3周楽しむ!ひとり水族館の楽しみ方

せっかく一人で水族館に行くなら、満足感の大きい周り方をしてみてはいかがでしょうか。

3周それぞれ違う視点を持って見て回ると、新しい気づきや自分の好きな楽しみ方を得られるかもしれません。一度で全てに着目して回るよりも、着目するポイントを絞って数回まわる方が充実した水族館タイムになるでしょう。

1周目 生き物に注目し『水族館のコンセプト』を楽しむ

まず1周目は、生き物の魅力に浸りましょう。その水族館にはどんな生き物がいるのかを見て回り、気になった生き物をじっくりと観察します。同時に、入り口から出口までのストーリーを楽しみましょう。

水族館のエリア(ゾーン)には名前があり、コンセプトを元に水族館全体や水族館のゾーンは企画・設計されます。よくあるパターンとしては、その水族館が位置する地域の生き物を最初に展示し、歩き進むとともに日本や日本周辺の海へと広がり、後半には海外の海へと繫がっていく作りがあります。

2020年7月にオープンしたばかりの川崎水族館も、このパターンに当てはまります。

最初は多摩川ゾーンで地元の生き物を展示し、そのあとはオセアニア・アジア→アフリカ→南アメリカ→アマゾンへと旅のようなストーリーが続きます。

ストーリーやコンセプトを理解することは企画者や設計者、運営者が何を伝えたいかというメッセージを受け取ることにもつながります。そういったメッセージを理解しながらまわると、これまでと違う水族館のまわり方ができますよ。

2周目 『建築学的視点』で水族館という空間楽しむ持つ

2周目は、建築学的視点を持ってまわってみましょう。建築学視点というと難しく聞こえるかもしれませんが、まずは「ここ、なんかいいな」という自分の感覚に焦点を当ててみると良いです。

水族館の中でいいなと思うスペースがあれば、そこがどんな特徴を持っているのかを分析してみます。明るさ、広さ、高さ、色、素材、構造、設備など、展示空間に施された“工夫”に注目してみてください。

水族館では、来館者を飽きさせないために、空間にバリエーションを持たせており、照明ひとつとっても、色や大きさ、数などはゾーンごとに異なります。生き物を美しく見せる照明や空間構成について考察したり、他の水族館と比較したりするのも興味深いですよ。

また、水族館では水槽という特別な要素が加わります。水槽の中は生き物たちの生活空間です。水槽という空間にどのような工夫がされているかを考えてみても面白いかもしれません。

さらに、1周目で把握したテーマやコンセプトと空間はどのような関係があるのかについても考えながらまわることができます。

例えば大阪にある海遊館の北極圏ゾーンでは、北極を表現する氷が天井に表現され、空間の奥行きを演出するために鏡が通路の両サイドに配置されています。

まるで流氷の下を潜っているかのような気分になりませんか。東京にある、すみだ水族館の金魚展示ゾーンでは、コンセプトである『江戸』を表現するための模様や装飾が採用されています。

生き物たちの見せ方や空間の工夫についての発見があれば、水族館巡りがもっと楽しくなるはずです。ぜひ、挑戦してみてください。

3周目 『耳』を使って水族館の音を楽しむ

3周目は“耳を使って”まわってみましょう。

水族館では、水槽によっては生き物たちの鳴き声を聞くことができます。動物の鳴き声って、意外と学ぶ機会がないのではないでしょうか。

個人的にはペンギンの鳴き声は見た目とギャップがあって好きです。鳴き声にはペンギンの種類の差や個体の差も出てくるので、それだけでもすごく興味深いです。高い声もあれば低い声もある。「あの声はお父さんっぽいな」とか「あの鳴き方は子どもに似てるなあ」とか「なんか動物も人間も同じだなあ」なんて哲学的に考えたりできるのが水族館の魅力の1つだと私は思っています。

水槽の前のベンチに腰をかけて、ゆっくりと哲学的な思想にふけるなんて、すごく贅沢な水族館の過ごし方ではないでしょうか。

まさに、1人であるからこそできる周り方です。水族館の生き物を観察したり、生き物の生態や動物行動学を学んだりすることで、自分と他者との関係や自分自身について見つめ直すこともできます。

また、動物の鳴き声以外にも水族館にはいろいろな音があります。例えば、館内の音楽。水族館では音楽が流れている場合が多いですが、あまり意識して周ることはないのではないでしょうか。

どんな場所にどんな音楽が使われているのか、音楽がない場所はどういうところなのか、を考えるのはすごくマニアックですが、少し変わった視点を持つことで水族館の企画者の工夫を知ることができるかもしれません。

いろいろな問題がはあって難しいのでしょうが、個人的にはクラシック音楽などではなく『サカナクション』を水族館で聴きたいなあと常々思っています。大水槽や小さな魚の群がある水槽ではサカナクションのアイデンティティが最高にマッチすると思いませんか。

新しい水族館の1つのあり方として『音楽や音にこだわる水族館』があってもいいのではないかと私は思っています。そして、新しいことに挑戦し続けるサカナクションはそんな企画にぴったりだと確信しています。サカナクションのプロデュースする水族館音楽、私は期待しています。

主観が入り過ぎてきましたね、すみません。

私がすみだ水族館やサカナクションが好きな理由の1つに『新しいことに挑戦し続ける姿勢』というのがあります。どんな分野でも常に新しいものを生み出そうとしたり挑戦し続けたりする人々に私はすごく惹かれます。魅力的ですよね。

このサイトも、そんな新しいことに挑戦したり新しいものを発信していけたりするサイトになったらいいなあと思っています。

話が大きく脱線してきましたね、戻しましょう。『耳を使う』という周り方ですが、動物の鳴き声や音楽意外にも、人の会話というのがあります。人に近づいて盗み聞きを積極的にしようと言っているのではなく、偶然聞こえてきた人の発言をシャットアウトせずに聞いて見るのも面白いということです。

私が先日海遊館に訪れたとき、クマノミの水槽に人組のカップルがいました。女性が「あー、なんかほんとにさ、」と言ったあと、「「ニモみたいだね」」と2人の声が揃っていたのを聞いてすごくほっこりしました。

生き物を見て声や発言が揃うくらい仲良しなんだろうな、と思ったり、やっぱりクマノミはみんなにとってニモなんだな、と思ったり。普段自分と関わることのない他人の考えを水族館では偶発的に聞くことができます。

小さな子どもから年配の方まで、様々な年代の人が訪れる場所であるからこそ、その発言や会話から新しい発見や癒しを得られるかもしれません。

ひとり水族館では、『自分の世界に入り込むこと』と『他者に意識を向けること』を自由に選択し、その時の気分で好きな楽しみ方をすることができます。3周目はぜひ耳を使ってまわってみましょう。

ひとり水族館を開拓しよう!更なる可能性と限界

紹介した3つの周り方のほかにも、スタッフや飼育員の人々、カフェやフードコートなど、様々な着眼点を持って水族館をまわることができます。

水族館は様々な可能性を秘めており、一人で水族館に行くことによって、誰かと行く時とは違う新しい可能性を見出せるはずです。3周と言わず、4周5周することも不可能ではありません。

しかし、時間と体力的に3周が限界ではないかと私は考えています(もちろん水族館の規模にもよります)。1周で上記のようなさまざまな視点を持ってゆっくりと周ってみたり、他の新しい視点を持ってまわってみるのもいいかもしれません。

この記事をヒントに、ぜひオリジナルな水族館の楽しみ方を模索してみてはいかがでしょうか。

おわりに

現在は新型コロナウイルスの感染拡大により、同じ空間に長時間滞在することが難しくなっています。3周はできなくとも新しい視点を持って水族館に行くことで、これまで以上に水族館を楽しむことができるかもしれません。水族館と海の生き物に興味や愛着を持つ方が一人でも増えれば、私は幸せです。

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