「水族館を訪れる客層の約5割が家族連れ、3割が友達連れ、2割がカップル」と私は勝手に分析をしています。
そんな客層の水族館に男一人で飛び込むには、結構勇気がいるものですよね。スイパラに飛び込むのとほぼ同等の難易度であると私は認識しているのですが、みなさんどうでしょうか。
そもそも男一人で水族館へ行こうという発想自体、なかなか思いつくことではありませんよね。私も正直別に水族館愛に溢れているわけでもないので、つい最近までそんなこと思いつきもしませんでした。しかしこのサイトの運営を担う以上一度は出向かねばならないと、先日初めて一人で遊びに行ってきたわけですが、そこで私は二三、学んだことがあります。
それは独身男性こそ水族館に一人で出向くべきである、ということです。
今回はなぜ独身男性こそ水族館へ一人で出向くべきなのか、その真意とは一体何なのか、新しい水族館の楽しみ方、いいや、愉しみ方についてご紹介します。
C O N T E N T S
正攻法な楽しみ方「水族館から学びを得る」
水族館というと展示されている生き物を“観察するための施設”と思いがちですが、実はほかにも見るべきところはたくさんあります。私もついこの間まで水族館の楽しみ方について、いまいち理解が出来ず、足を運ぶこともここ数年ありませんでした。
正直、大人になると生き物を見て感動するなんてことは少ないわけで。人気なペンギンやイルカショーなどは別ですが、魚を見てもしょうがないと思っていたからです。
しかし、水族館は生き物の生態について学ぶことはもちろんのこと、海洋環境を知ってもらう場としても大きな役割として担っており、難しいテーマのものでも要点を整理し、それぞれについてわかりやすく解説がされています。
また海洋環境調べるための技術、知られざる日本のレベルの高さについても知ることができるのも魅力です。『水族館=生き物を見る』だけではどうしても通り過ぎてしまう展示ブースも『水族館=海洋環境を学ぶ』という大きな観点で水族館を回ることで、見るべきもの、楽しみ方がぐんと広がってくるのではないでしょうか。
また、水族館という建築について注目してみれば、動線の作り方、照明の当て方、どういったBGMが使用されているのか、展示ガラスの厚さ形状、配線方法、展示している生き物の雰囲気に合わせた空間づくりなど、工夫されている点が非常に多くあります。
水族館というすべてが計算された『特別な建築物』も観察対象として楽しむのも大きなポイント。
「水族館の盲点を突く」ような観点で回れば、大人向けの奥深い施設であることがわかり、自分だけの発見を見つけることだって出来るかもしれません。
水族館を男一人で回って得られる「怪奇の目と快感」
さてここまでが正攻法の楽しみ方です。ここからが私がおすすめする本当の理由について紹介していきましょう。まず一つ目が水族館を男一人で回ることで得られる「奇怪の目」とそれを向けられることによる「快感」について。
先述した通り、水族館を訪れる客層は家族連れ、友達同士、カップルに分かれています。友達同士で来ている人たちもほとんどが女性同士か、もしくは男性数名に女性が混ざっている、その逆パターンがほとんどです。
つまり性別で分けた場合に男性のみで来ているグループは非常に少ない。ましてや男性一人で来ているお客さんなんてほとんどいません。特に若年層の男性一人客というのは非常に珍しい。
相当水族館好きか、仕事で来ているか、もしくは失恋中か。特に水族館に思入れもなく、用もなく、一人で来ている人なんていない、皆さんそう認識しているはずです。
ということはこの3パターンの型にはめることで、好きに自分のペルソナを設定することができます。
・バッグに魚の缶バッジを付ける→「この人は水族館マニアなんだ」
・一眼レフを持って水族館を回る→「この人は取材か何かできているのかな」
・ボーッと水槽を眺める→「この人、もしかして失恋したのかな」
あなたはどう思われたいですか。どんな仮面を被って水族館を回りますか。
私は上記のどれでもありません。ただ『一人行動できる強い男』と思われたい。なので、上記に当てはまらないように適度におしゃれをして、適度にスマホで写真を撮って、適度に可愛い動物の前で笑顔を見せます。普通の男であることを周りにアピールする。
しかし、それでも時に周囲の人間から奇怪の目で見られることが必ずあります。特に美女を連れているイケイケな男性が、ジロジロとこちらを嘲笑ってくるような傾向にあります。こちらの方を振り向いて、彼女に小声でなにかを話し、彼女も私の方を一瞬振り向いてくる。そして二人で何やら会話をしている。一体何を話しているのでしょう。
「男一人で来てるよ(笑)」
「ダメだよ、見ちゃ(笑)」
きっとこんな会話を繰り広げてイチャイチャしているのです。
……とてつもない優越感を感じませんか。
だって嘲笑ってくる彼らは私のように男一人で水族館に挑むことができない人たちなのだから。
水族館に一人で行き、怪奇の目で見られれば見られるほど、男としての箔が付くのです。彼らの嘲笑いを横目にラッコを撮影しているその時、私は情けなさではなく、自分の男としての強さを感じていました。
女性グループからの憧れの眼差し「強い妄想」
さて先程は同じ男性から向けられる奇怪の目からの快感についてお伝えしましたが、今度は逆です。女性から向けられる憧れの眼差しについてです。
昨今の男性は優しい人が多く、また女性に関しては自立した人が多いですね。全体的に男女の精神的なバランスが均等になってきています。非常に素晴らしいことですが、一点残念なところがあります。
それはなかなか女性から憧れを抱かれなくなってきてしまったというところです。
むしろ私の場合だと、私が女性に対して憧れを持つほうが多いです。情けなさを前面に押し出して、頼ってばかりになってしまっています。
皆さんは、女性に憧れを抱いてもらえる機会ってありますか。なかなか難しいですよね。『自立する』というのは立派なことですが、それが常識的でもあったりするため、アピールをする機会がないのです。
しかし、水族館という異端な世界に一人で立つことでそれを容易に成すことが出来ます。
実際、男性一人水族館にいるのを見かけた時、女性はどう思うでしょうか。
・水族館に一人で来ている→周りの目なんか気にしない強い意志を持っていそう
・水族館に一人できている→休日に一人で水族館に来れるほど精神的に余裕がありそう
つまり質実剛健、外柔内剛な男性そうであると。
先日一人で水族館に行った際に、女性二人組とすれ違いました。その時、彼女たちと目が合ったのですが、私には彼女たちの目が輝いているように見えました。これは気のせいなのでしょうか。否、それは憧れの眼差しであります。
同性である男性からは男としての優越感を味合わせてもらうことができ、異性である女性からは憧れの眼差しを向けられることで強い誇りを感じることができる。
水族館が自分という人間を輝かせてくれるところだなんて、皆さんご存知でしたか。
運命の出会いをお土産に帰宅「淡い期待」
最後にこれはあくまでオマケ的なものでしかありませんが、水族館での運命的な出会いというものがあります。
水族館という場所が運命的な出会いが生まれやすい場所であるということに皆さんはお気付きでしょうか。ご存知ではない人たちのために、まずは水族館という場所がどんなところなのかおさらいしましょう。
・落ち着いた雰囲気
・人が多い
・写真スポットがある
水族館は基本的に屋内のゾーンは光が少なく、暗い場所ですよね。まず暗い場所という点において、見た目がマシに見えるという効果があります。
そして水族館は雰囲気が落ち着いていますよね。キレイに泳ぐ魚や可愛い生き物を見て、癒やされて心が落ち着きます。非常にリラックスできる空間であり、でも人が多い。
つまりどういうことか。人に声を掛けやすい環境であると言えます。
写真スポットもあるので、「写真をお撮りしましょうか」などと会話の入り口も作りやすく、同じ目的で来ているので共通する話題もある。そして何よりも一人で水族館に来ているという大きな共通点があります。人間性や趣味などが合う確率がかなり高い。
もちろん、これは声を掛けられる側であることを前提としてのお話です。話しかけられやすい、会話が自然発生しやすい環境であるということをはっきりと主張しておきます。
海の生物にとって不純異性行為は害悪でしかないため、水族館でのナンパ行為は禁止されています。勘違いしないでくださいね。あくまでも運命的な出会いが発生しやすい場所だということです。
もうひとり水族館はやめられない
今回は男性一人で行く水族館の表の楽しみ方と裏の楽しみ方についてご紹介しました。水族館は生き物や建築物、そして自分の心も観察対象にして回れば、一人でも十分隙間なく楽しめる場所です。
しばらく水族館へ遊びに行っていない方、これを機にぜひ水族館の“沼”に足を運んでいただければと思います。